Médoc ST-JULIEN
AOC詳細

St-Julien サン・ジュリアン

AOC:St-Julien(サン・ジュリアン)

  <サン・ジュリアン>はボルドーの葡萄栽培地で最も美しい眺望を持つ村である。
ガロンヌ川が運んだ砂利でできた葡萄畑は、西から東に流れる緩やかな傾斜地にある。 良好な自然排水の地勢の下層土壌は石灰質の堆積物があり、古い葡萄の根は、水を求めて深く自由地下水の表層レベルまで伸びている。

マルゴーとポイヤックの間に位置しているので、ワインは両者の特質を程よく兼ね備えたバランスの良いもの。
マルゴーの華やかさ、ポイヤックの堂々としたところはないが、慎ましやかで、気品のあるスタイルは、魅力的。
比較的若いうちから楽しめて、しかも長寿である。やみつきのサン・ジュリアン愛好者は少なくない。

  • 生産量
     43,588hl (909ha) 
  • 主品種
     <赤>カルベネ・ソーヴィニヨン&フラン、メルロ

 

CH Lagrange

 

格付けシャトー詳細
第2級 Seconds Crus
Ch:Leoville-Las-Cases レオヴィル・ラス・カス

label-CH Leoville-Las-Cases

3つのレオヴィは1600年代の中頃ボルドーの有力な酒商モアティが創設し、 1700年代初期婚姻によりボルドーのもう一人の有力者のレオヴィル家の手に移った。
革命時、3分の1を国に没収されたが、子孫はなんとかしのいで、ナポレオン時代ナポレオンの腹心になったピエール元帥とその妹が相続した。
妹が相続した分は後に売却され、ポワフェレになり、ピエールの相続した分がこのラス・カスで、今日まで家系の続くレオヴィル家が所有(現在、法人化され株保有)。

畑はギロンド河を望む砂利層の土地で、ラトゥールと境を接している。
50年代新樹の植え替えで、一時期品質を落としたが、 59年以降は名声を回復、1級と肩を並べている。
ワインは腰が強く熟成が遅い。優雅であるだけでなく、濃度高く力強い。
  • 品種
     カルベネ・ソーヴィニヨン65%、メルロ20%、プティ・ヴェルト3%、フラン12%
  • 生産量
     <赤>47,000ケース (97ha)
  • セカンド・ラベル
     Clos du Marquis

 

Ch: Leoville-Poyferre レオヴィル・ポワフェレ

label-CH Leoville-Poyferre

ナポレオン時代レオヴェル家のピエールの妹ジャンヌの相続した分が、後にポワフェレ男爵夫人に売却された。1920年以降キュヴェリエ家の作ったドメーヌ・ド・サン・ジュリアン社が所有。

1980年醸造所を完全に最新化した。辛抱強い運営で、ワインは常に安定していて、その名声を維持している。
ワインはポイヤックに近く、豊満で深い色調、柔らかな肉付きで長塾。

  • 品種
     カルベネ・ソーヴィニヨン65%、メルロ25%、フラン2%、プティ・ヴェルト8%
  • 生産量
     44,000ケース (80ha)
  • セカンド・ラベル
      Ch.Moulin-Riche

Ch: Leoville-Barton レオヴィル・バルトン

label-CH Leoville-Barton

革命時、国が没収した分を1820年アイルランド人のヒュー・バルトンが買った。
ヒューの祖父トマスと父ウイリアムがボルドーでの貿易で産を成した。ボルドーでの商売の共同経営者的立場にいたダニエル・ゲスティエが革命やその後の混乱期をしのいでビジネスを守った。それに感謝して、莫大な資産を継いだヒューが正式に会社を起こす。それが、今日のボルドーのネゴシアン・バルトン&ゲステイエ社である。

ワインは、美しい果実味と豊かな風味を持ち、1級と肩を並べる伝統的タイプ。

  • 品種
     カルベネ・ソーヴィニヨン72%、メルロ20%、フラン8%
  • 生産量
     20,000ケース (47ha)
  • セカンド・ラベル
     la Reseeve Leoville BartonEnclos de Moncabon

Ch: Gruaud-Larose グリュオ・ラローズ

label-CH Gruaud-Larose

8世紀中頃、騎士グリュオが分散した畑を買い集め、その後継者ラローズが葡萄園の評価を高めた。
ラベルの「Le roi des vins,Le vin de rois=ワインの王、王のワイン」はラローズが作ったもの。
その後の後継者にごたごたがあったが、1919年大手ネゴシアン・コルディエ社の基礎を作ったジョルジュ・コルディエが手に入れた。1997年ベルナール・タイヤン・グループに売却した。畑は河沿いから離れサン・ローラン村との間の台地にある。

ワインは濃密かつリッチで、サン・ジュリアンの古典的タイプ。スパー・セカンドの品質のワインは値段も上がっている。

  • 品種
     カルベネ・ソーヴィニヨン57%、メルロ30%、フラン8%、プティ・ヴェルト3%、マルベック2%
  • 生産量
     51,000ケース (82ha)
  • セカンド・ラベル
     Sarget du Gruaud-Latose

Ch: Ducru-Beaucaillou デュクリュ・ボーカイユ

label-CH Ducru-Beaucaillou

ボーカイユの意味は「美しい小石」の意味で、この畑は多彩な小石に砂と粘土が絶妙に混合された土壌。
1941年以降、酒造りでは著名なボルドーの名門ボーリー家が所有。

ワインの名声は専門家の間でもとみに高く、ワインの品質の長年に渡る安定振りは並ぶもの無い。2級のトップの座を争っている。
エレガントで控えめな極めて美しいワインで、重苦しいワインの対極にある。

ヴィクトリア朝のシャトーも堂々たるものだが、水位の低いメドックには珍しく、1600年頃できていたと言う古い地下蔵がある。

  • 品種
     カルベネ・ソーヴィニヨン65%、メルロ25%、フラン5%、プティ・ヴェルト5%
  • 生産量
     19,000ケース (50ha)
  • セカンド・ラベル
      Ch, La Croix
第3級 Troisiémes Crus

Ch: Lagrange ラグランジュ

label-CH Lagrange

1983年サントリーがここを買収した。日本の企業が購入した最初の例である。
邸館を含め、設備と畑の抜本的改修を行うと共に、葡萄畑も大幅に拡大した。

マルセル・ディカスの指揮の下、特筆に価する厳格なセレクションによって、堅牢で古典的なワインを産出している。
安定した品質は、セカンド・ラベルにも当てはまり、高い評価を受けている。

  • 品種
     カルベネ・ソーヴィニヨン66%、メルロ27%、プティ・ヴェルト7%
  • 生産量
     66,500ケース (109ha)
  • セカンド・ラベル
      Les Fiefs-Lagrange

Ch: Langoa Barton ランゴア・バルトン

label-CH Langoa Barton

アイルランドの出身の貿易商の3代目、バルトン&ゲスティエ社の創立者・ヒュー・バルトンが1821年ポンテ家から購入。
この時期隣接するレオヴィルの畑も手に入れ、ランゴアの醸造所で最近まで造られていた。
兄弟ワインのように見られているが、厳密に別々にし込まれている。

ワインは、タイプは似ているが、早めに飲み頃を迎える。優雅さと果実味と魅力は充分備えていて、素性の良さのよく出たサン・ジュリアン。

  • 品種
     カルヴェネソーヴィニヨン74%、メルロ20%、フラン6%
  • 生産量
     7,000ケース (35ha)
  • セカンド・ラベル
     
第4級 Quatriémes Crus

Ch: St-Pierre サン・ピエール

label-CH St-Pierre

1767年にここを買い取ったサン・ピエールに由来する名前だが、長い間、サン・ジュリアンで無名の存在であった。
1982年、ブルジョワ級のCh.グロリアのオーナー:アンリ・マルタンに買収された。

マルタンの娘婿ジャン・ルイ・トリオーの指揮の下に最前線に輝かしい復帰を果たし、80年代中頃から、卓越した凝縮感と魅惑的なアロマを持つワインを送り出している。
近年の品格と個性を持つワインは、格付けに恥じない。

  • 品種
     カベルネ・ソーヴィニヨン70%、メルロ20%、フラン10%
  • 生産量
     8,000ケース (17ha)
  • セカンド・ラベル
     

Ch: Talbot タルボー

label-CH Talbot

シェクスピアの「ヘンリー6世」にも登場する歴史上の英雄タルボー将軍が、ここを軍隊の本拠地にしていた。
(この城は将軍のもので、将軍はここで戦死したと信じている英国人が多いが、事実は違う)

現在コルディエ社が所有しているが、ジョルジュ・コルデイエが1918年入手したもの。
畑の手入れは丹念で、清潔で厳格な管理がなされている。ワインは安定していることで昔から有名。
品のいい、調和のある魅惑的なサン・ジュリアン。生産量が多いから非常にお値打ち。

  • 品種
     カベルネ・ソーヴィニヨン66%、メルロ26%、プティ・ヴェルト5%、フラン3%
  • 生産量
     54,000ケース (1020ha)
  • セカンド・ラベル
    Connetable Talbot & Caillou Blanc du CH. Talbot
    Ch.Hant-Bages Monpelou (クリュ・ブルジョワ・シュペリュール)

Ch: Branaire-Ducru ブラネール・デュクリュ

label-CH Branaire-Ducru

16世紀まで遡れる歴史を持つが、フィロキセラ、第1次、第2次大戦に耐えきれず荒廃した。
しかし、1955年アルザスのポール・ジュジェールが買い取り、息子と共に心血を注いだため、品質も驚くほど向上、現在の評価は抜群。

畑は、マルゴー村(Ch.マルゴーの畑の隣)とスーサン村に分かれている。土壌が特殊な砂利系でメルロの比率が高い。マルゴーの中ではユニークな性格を持つ。

  • 品種
     ソーヴィニヨン50%、メルロ35%、フラン10%、プティ・ヴェルト5%
  • 生産量
     14,000ケース (23.5ha)
  • セカンド・ラベル
     Ch.Loyac

Ch: Beychevelle ベイシュヴェル

label-CH Beychevelle

英国がスペインの無敵艦隊を破る1587年、その英国の海軍提督デ・ペルノン公爵がこのシャトーを手に入れた。
ジロンド河を行き来する船は、このシャトーの前を通過する時、当時の船の敬礼である「帆下げ」を号令と共に行った。その号令が古語である「Baisse-Voile」で、それが名前として残った。ラベルの半帆の古代船のデザインもこれに因んだもの。

その後、ナポレオン3世の蔵相だたアシール・フールのものになり、現在もこの家系の後継者がオーナー(法人ー株所有)。
ワインの人気は高く、2級なみの値段。(サントリーもかなりの株を所有)

  • 品種
     ソーヴィニヨン66%、メルロ30%、プティ・ヴェルト4%
  • 生産量
     7,500ケース (18ha)
  • セカンド・ラベル

 

Médoc AOC詳細

本ページ :
AC:Médoc,Hout-Médoc,Listrac-Médoc & Moulis(メドック,オー・メドック,リストラック・メドック & モーリス)
Page-2 :
St-Estephe (サン・テステーフ)
Page-3 :
Pauillac(ポイヤック)
Page-4 :
St-Julien (サン・ジュリアン)
Page-5 :
Margaux(マルゴー)
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