BOURGOGNE
ブルゴーニュは、ボルドーと共に、フランスの誇る大銘醸地。ワイン造りの歴史は古く、ローマ時代にまで遡る。だが、今日の名声を築く基になったのは、12世紀、シトー派修道僧による葡萄畑の開墾である。かのロマネ・コンティやクロ・ヴァーショをはじめ、銘酒は殆ど修道院所領であった畑のもの。

ブルゴーニュと言う名称は、14~15世紀にかけてフランス王家を凌ぐほどの勢力でベルギーやオランダをも支配していたブルゴーニュ大公国だったことによる。

夏は日照量が多く冬は寒さ厳しい大陸性気候はブドウ栽培に最適で、素晴らしいワインが生まれる。この気候とこの地に適した醸造法が長い時間をかけて練り上げられ、ブルゴーニュワインのスタイルを完成させた。

単一の葡萄品種でワイン造りを行うが、変化に富む自然条件から、畑の区画ごとにミクロクリマ(微気候)が見られ、産出されるワインは多様。産地は下記のように6つに分けられる。

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Chablis (シャブリ地区)
は、
ブルゴーニュで最も北にある。北緯48度、樺太のほほ中央と同緯度にある。ブルゴーニュの首都ディジョン(Dijon)とその北西にあるパリを結ぶ線の丁度中間に位置している。辛口白ワインを代表するワイン産地。

Côte d'Or (コート・ドール=黄金の丘陵)と呼ばれるブルゴーニュきっての銘醸地は、ディションから南に約65kmに渡って絶えることなく続く葡萄畑の広がる地域で、

Côte de Nuits (コート・ド・ニュイ地区)

Côte de Beaune (コート・ド・ボーヌ地区)

の2地区に分けられる。北にある前者は赤、その南に続く後者は白に、世界に冠たる銘酒を産する最高級ワイン生産地。 さらに南下すると、

Côte Chalonnaise (コート・シャロネー地区)

Maconnais (マコネ地区)

と続く。軽やかで、親しみやすい、赤、白、ロゼの産地。 続いて、

Beaujolais (ボジョレー地区)

ぶどう風味豊かな、初々しい軽やかな赤の産地。

 

ブルゴーニュの特徴は単品種でワインが造られることである。
赤は、ピノ・ノワール。白はシャルドネ。(例外はボージョレーの赤でガメ種)従って、各ACの解説の中では、品種については、ピノ・ノワールおよびシャルドネ以外を使う例外時のみ記述している。

「黄金の丘陵=Côte d’Or」とは・・・

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黄金にも例えられる極上のワインを産する名醸畑が連なり、秋には葡萄の葉が黄金色に斜面を染めることから呼ばれる。
ブルゴーニュは「クリマ」に始まり「クリマ」に終わると言われるが、その葡萄畑が実に細かく区分されていて、この「区画畑」を「クリマ」と言い、それぞれの畑には名前が付いている。

ブルゴーニュワインのスタイルは、自然条件(気候・土壌・地形等)と共に、長い時間を掛けて練り上げられた醸造法が生み出したものである。
つまり、白はパリック樽で、赤は小型の発酵槽を使ってビジャージュ(発酵中、浮上する果帽を崩して果汁に沈める作業)を行いながら発酵させ、自然に則したやり方で時間と温度を管理し、その結果2品種(シャルドネとピノ・ノワール)のブドウからこのうえなく繊細なアロマを引き出している。

技術の進歩によって、こうした面倒な作業をしなくても、もっと簡単な方法で同じ成果が得られるはずだと様々な試みがなされたが、結局、各地区の新世代醸造家のリーダー達は昔ながらの製法へと立ち戻った。それが、ブルゴーニュやボルドーのフランスならではの高いワインの品質を維持している。

この「区画畑」が格付けの対象になっており、AOC制度に組み込まれている。(AOC格付参照)