シャンパーニュ地方
は、
パリの北東約150Kmに位置し、フランスのワイン産地としては、最も北にある(北緯50度)。平均気温約10度Cで、葡萄栽培にとっては厳しい気象条件である。
が、この地方には北側に背の高い森林があり、冬の冷たい北風と霜を防ぎ、 マルヌ川から立ち昇る水蒸気の湿度がその厳しさを緩和している。
とは言え、冷害や日照不足による影響は大きく、不作の年のワイン生産は4分の1になってしまうこともある。
土壌は、シャブリと同質のキンメリジャンと呼ばれる石灰岩の混ざった泥土質で、 この水はけのいい白い土壌が、乏しい日光を反射、吸収し、葡萄の成育を促している。(シャンパーニュとは、白い土壌の平野を意味する)
この地方のワインと言えば、「シャンパン」だが、「シャンパン」とは、このシャンパーニュ地方の限定された地区で栽培された葡萄を使い、葡萄の品種や製法などワイン法に規定された条件を満たした「発泡ワイン」のみを言い、この条件を満たしていないものは「シャンパン」を名乗ることは出来ない。
高度に洗練されたその品質は、今日ほど均質であると同時にコントロールされていることはかってなかったと言える。
この地方の中心地は、ランス市とエペルネ市。ランス市のノートルダム大聖堂はゴチック建築の傑作で世界遺産にも登録されている。現在は、発泡性ワインの産地だが、17世紀後半までは非発砲ワインのみの産地であった。