Graves(グラーブ)地区
は、
ボルドー市の南、ガロンヌ河左岸に幅12km、全長約60kmの地帯に広がる。
ガロンヌ河はその源をスペイン国境のピレネー山脈に発している。
畑は、このガロンヌ河が運んだ砂利と玉石に覆われている。砂利を意味する「Graves」と言う地名の由縁である。
ボルドーのワインは、クラーブ(Graves)から発達し、この地区のワインがボルドーの名を世に広く知らしめた。"メドック"が有名になる18世紀以前は、クラーブのワインが圧倒的にもてはやされた。英国に輸出される「クラレット(Claret)」の一大産地だった。
ボルドーの港に近く、ワインの輸送手段としてのガロンヌ河があり、南に通ずる主要街道がクラーブ地区を通っていると言う恵まれた立地条件が、他の地区に先んじて、クラーブワインの流通に大きな役割を果たした。
この地区には、以下の5つのAOCがある。
- Graves(グラーブ)
- Pessac-Leognan(ペサック・レオニャン)
- Sauternes & Barsac & Cerons (ソーテルヌ & バルザック & セロン)
AOC:Graves(グラーブ)
は、
かっては<メドック>の陰にかすみ、並酒の白の産地だったが1970年代に入ってから変化が起き、赤が増え品質の向上がめざましい。白も軽い辛口のタイプが多くなった。
AOC:Pessac-Leognan(ペサック・レオニャン)
は、
ボルドーの町に近いこの北部のAOCは、良質の赤ワインと辛口白ワインを産する。
AOC:Sauternes & Barsac & Cerons
(ソーテルヌ & バルザック & セロン)
は、
ガロンヌ河とその支流の合流する地形が朝霧を発生させ、「貴腐葡萄」を育て、フランスを代表する甘口白ワインの産地。