BORDEAUX Blaye & Bourg
Citadellet Blaye

 

Blaye & Bourg WineMap (ブライ&ブール ワイン地図)

ジロンド河を見下ろす河口の台地に葡萄畑があり、大西洋の影響を強く受ける海洋性気候で、年間240日と言う日照に恵まれた土地である。

<ブライ><ブール>の両地区共、赤も白も産するが赤の比率が高い。

葡萄畑ばかりで変化のないメドックに比べ、この地区は、歴史的遺産と変化に富んだ地形の風景が展開する。
この地に、ローマ時代、葡萄の木が持ち込まれ栽培され始めたのは対岸のメドックより早い。そればかりでなく、15世紀頃はこちらの方が有名であった。

それは、ブライとブールは船が寄港し易い地理的位置にあり、且つ、聖地・サンディアゴ・デ・コンポステラへの巡礼路の重要な経由地であったためである。
それ故、ワイン生産と交易が盛んに行われていた。

Blaye (ブライ)
は、歴史的にボルドーを守る要塞として発展していくが、漁業の港でもある。土壌の関係もあるが、葡萄畑は、穀物やアスパラガス等の野菜畑の中に散在する。

Bourg (ブール)
は、面積では<ブライ>の5分の1しかないが、ワイン生産量でははるかに多い。

ワインは、<ブライ>は海に近くその土壌は砂質系で軽く、<ブール>は沖積層系でより重いと言われている。

* この地区の日本に輸入されるワインの殆どは<シャトー・ワイン>である。

 

AOC詳細

Côtes de Blaye コート・ド・ブライ

Côtes de Blaye(コート・ド・ブライ)

ジロンドの河口右岸に広がるこのACは、BLAYE、SAINT-SAVIN、SAINT-CIERS-SUR-GIRONDE 等の41の村を含み、葡萄畑は、リブルネの石灰質台地を延長した土地にあり、土壌は粘土質を含み、東へ行くほど砂が多くなる。この地区には、3つのACがあって、

Côtes de Blaye (コート・ド・ブライ)
は、辛口白のみに認められたもので、
<赤>は、
Premieres Côtes de Blaye (プルミエ・コート・ド・ブライ)
を名乗る。
更に、<赤>の上級指定のACとして、2000年より
Blaye (ブライ)
が導入された。

<赤>は深い色合いで、ボディーもあり、コクもある。寿命は短い。
<白>は、軽く柔らかな辛口、気軽なワイン。

  • 品 種
     <赤>カベルネ・ソーヴィニヨン&フラン、メルロ、マルベック <白>ソーヴィニヨン・フラン、セミヨン、ミュスカデル
  • 生産量
     赤: 1,985hl (44ha) 白:1,051hl(21ha)

Côtes de Bourg コート・ド・ブール

 Côtes de Bourg(コート・ド・ブール)

ジロンド河右岸、メドックの対岸に位置するこのACは、ドルドーニュ河がジロンド河と合流する地点、Bourg(ブール)村がその中心。ワイン・錫・石材の交易、漁業で栄えた港町である。

葡萄畑は、河口を流れる大量の水の影響で夏も気温が緩和されると言う自然条件に恵まれている。
赤と白を産するが、白は極僅か。
<赤>は、メルロ種が主体。色合い濃く、ブライに比べ、ボディーもしっかりしている。タンニンが強いため、熟成の可能性を持つが、そう長くはない。(3~8年飲み頃) 熟成後は力強く、洗練された香りが現れる。
<白>は、ブライと同質だが、いくぶんかより香り豊かな辛口。
近年、質的向上目覚しい造り手が少なくない。

  • 品種
     赤:メルロ 、カベルネ・ソーヴィニヨン&フラン、マルベック。 白:ソーヴィニヨン・フラン、セミヨン、ミュスカデル
  • 生産量
     赤:190,053hl (3,886ha) 白:783hl(21ha)