輝く太陽、紺碧の海、豊富な料理、気取らない“人生を楽しむ”風土、プロバンスは人を引きつける魅力には事欠かない。
しかし、ワインに関しては、その多くが中流の品質に留まっていた。多分、ここに来る旅行者にワイン以外の楽しみをいっぱい提供してきたからであろう。
とは言え、近年、素晴らしいワインを造る生産者も少なくない。派手なイメージに惑わされないで選ぶ必要がある。
このプロバンスは,日照りの強い地中海性気候。雨は春や秋に激しい雷雨となるが、年間を通じれば少なく、乾燥地帯。 名物の強風「ミストラル」は、湿気を運び乾燥を防ぐから葡萄にとってはむしろ好ましい。
石灰質、砂岩、片岩土壌の畑は、平野、丘陵、渓谷、岩山、海岸と言った様々な地形と景観を有していて、栽培品種も多く、出来るワインも多彩。
プロバンスと言えば、ロゼ(全生産80%)が有名だが、近年その品質の向上は総体的に上がり、それが牽引車になって、赤や白も今まで以上に目を向かわせることになるであろうと期待されているのが、現在の姿である。とは言うものの、この地の生産者によるばらつきは少なくない。
AOCの詳細については、便宜上、以下の3つにページ分けした。(地図参照)