このACは、ガロンヌ河右岸,グラーヴと向かい合いながらLangonまで、Cadillacを含む南北約60kmの地帯の37の村の赤ワインと甘口白ワイン。
(地図では、ワイン・レッドで塗られた地域)
葡萄栽培の歴史は古いが、象徴的なものを持っていない。色調豊かで、香り高いワインはボルドーの性格をはっきり持っている気取らないワイン。飲み頃3~6年。
この地区でも辛口白ワインが生産されているが、この地区ACを名乗れず、地域ACの <Bordeaux>と<Entre-Deux-Mers>ACで出荷されている。
品種
赤:カベルネ・ソーヴィニヨン&フラン、メルロ、マルベック、白:セミヨン、ソーヴィニヨン・フラン、ミュスカデル
生産量
赤:132,624hl (3,132ha) 白:7,369hl(230ha)
このACの南部に位置する下記の3つの地区で甘口白ワインが造られているが、それぞれ独立のACを名乗る。
ガロンヌ河を挟んで丁度バルザック・ソーテルヌ地区の対岸に位置するから、ここでも貴腐による甘口白ワインが造られる。
使用主品種も同じ、セミヨン、ソーヴィニヨン・フラン、ミュスカデル種。
ワインはハチミツやアカシア、柑橘類、アプリコットのアロマを持ち、ソーテルヌに比べ軽くフレッシュ。当り年には、安価で非常に良質なボトルが出回る。飲み頃は5~10年だが、
<Cadillac>がややそれより早い。3つのACの中では、<St-Croix-du-Mont> がやや良質。
Cadillac カディヤック
このACは、ボルドーから東南30km、ガロンヌ河右岸の勾配が厳しい丘陵地帯にあるカディヤックを中心とする22ヶ村で、ACの畑は、地図上では、Premieres Côtes de Bordeaux に重複する南の地域で造られる甘口白のAC。
対岸にあるバルザック、ソーテルヌ同様、セミヨン主体の、ソーヴィニヨンとミュスカデルのアッサンブラージュ。
このACを名乗るためにはワインのアルコール度が13%以上必要。甘さ控えめで、繊細な酸が持ち味。
Loupiac ルピアック
ガディヤックの南(河の上流)にあるこのACには職人気質の小さな生産者が多く、(農家1軒当たりの栽培面積は6ha) 品質重視のワイン造りが行われている。
産するワインは、ガロンヌ河を挟んで対岸にあるバルザック、ソーテルヌ同様、甘口と半甘口の白。
セミヨン主体の、ソーヴィニヨンとミュスカデルのアッサンブラージュ。
ローマの共同浴場などの遺跡の残るガロ・ローマ期の面影を残す村でもある。
St-Croix-du-Mont
サント・クロワ・デュ・モント
ルピアックの南(河の上流)に位置する。村名は「山の聖なる十字架」を意味し、その名の通り、村は美しい湖畔の風景を眺望できる丘の上にある。
ワインは、<ルピアック>同様の甘口と半甘口の白。使用品種も同じ。甘さは控えめだが、長期熟成に耐える。