ボジョレーで産するワインは殆どが赤である。
ボジョレーは、風土といい、葡萄品種といい、ワインのタイプといい、コート・ドール等に象徴されるブルゴーニュとは違った独立の「ワイン王国」と言えなくもない。
歴史的にも、この地は14~15世紀フランス王家を凌ぐほどの勢力を誇ったブルゴーニュ大公国の支配を受けず、ボージュ家による統治の後、フランス王家領になったと言う違いがある。
ボジョレー地域の広さは、南北55km、東西15kmで、22,000haの葡萄畑が96ヶ村にまたがっている。この葡萄畑の広さは、ブルゴーニュのAC畑全体のほぼ半分に相当する広大なものである。
産出量も膨大だが、半分は輸出されている。
ボジョレーもワイン造りでは古い歴史を持つが、その名を世界に知らしめたのは、第2次大戦後のこと。
それは、この地方に住む人の葡萄栽培に掛ける熱意と共に、ボジョレーが「美食の町・リヨン」に近く、食材倉庫ような役割を担い、その味覚と深く結びついていたからと言われている。
きれいな濃紫赤色、豊かな果実香、それに爽やかな酸味を添えたボジョレーは、一つのワインの世界を作っている。その源は葡萄品種である。
ボジョレーの赤は<ガメ種>の単品種から造られる。
ガメ種は、ガメイ種とも言われるが、他の地域ではこのような素晴らしいワインを生まないが、ボショレーの花崗岩質土壌がこの品種に最高にマッチし、独特の性格を形作った。
気候的にもブルゴーニュの中では最も恵まれており、総体的に、乾燥した寒い冬、暑い夏の大陸性の気候に属している。
東ないし南東向きの畑は西からの湿気の多い風を防ぎ、地中海性の天気のいい夏の恩恵を受けている。変化に富んだ葡萄畑の丘は、風光明媚なことでも有名。
ワインのAOC格付けは下記3クラス。下から
・Beaujolais (ボジョレー)
・Beaujolais-Villages (ボジョレー・ヴィラージュ)
・Cru-Beaujolais (クリュ・ボジョレー)
* Cru-Beaujolais (クリュ・ボジョレー)
は,ヌーボの人気の陰に隠れてしまった感があるが、コート・ドールに匹敵する素晴らしいワインである。村名ACである
Cru-Beaujolais
の詳細は、地図に示すように、別ページ(ページ2)にした。