中世の<聖地巡礼>の宿場町であったこの美しい小さな町を中心に、葡萄畑は広がっている。土壌は、複雑で変化に富む。
特に優れたワインは、「コート」と呼ばれるサン・テミリオンの町を囲む石灰岩系の丘陵地帯と、「グラーブ」と呼ばれるポムロールとの境界に近い、石灰質と砂・粘土の斜面の2つの地域から生まれる。
<サン・テミリオン>の町の東に広がる地域は、下層が砂と粘土の土壌。北部の砂でおおわれた地域と共に、優秀なワインが造られる。
<サン・テミリオン>のワインは、メルロ種中心で一味違っている。
ボルドーのワインの中では、ブルゴーニュに最も似たタイプといわれているが、畑の土壌によって風味が微妙に異なるが、ボルドー右岸を代表するワインである。
中小零細のシャトーがひしめいていて、選ぶのに一苦労するのが難点。
「シャトー・ワイン」と「セミ・ゼネリック・ワイン(定評のあるネゴシアンのものは、シャトーワイン以上)」がある。
品種
メルロ、カルヴェネ・ソービニヨン&フラン、マルベック
生産量
87,499hl (1,720ha)
St-Émilion Grand Cru サン・テミリオン・グラン・クリュ
<Classe>の付かない、この<Grands Crus>表示のワインは、定められた畑(土地)ではなく、質によって選ばれていて、定期的に検討される。
基本収穫量、官能検査、12ヶ月以上の熟成、シャトー瓶詰などが義務付けられ、約200ほどのシャトーが指定されている。
このAC表記のワインは、<Grands Crus>の付かない単なる<Saint-Emilion>より、若干上質と言う程度の理解の仕方が妥当と思われ、生産者の違いの方が大きいようである。
栽培地
166,642hl (3,824ha)