RHÔNE-Southern Rhône
南北に直下して流れ下るローヌ河は、ヴアランスからしばらく葡萄畑は途絶えるが、南に下るに従って北部とは違って東西に広大に広がる葡萄果畑の間を流れる。

この南部ローヌは、
丘や沖積土の平原、高原や台地など非常に変化に富む景色の中にブドウ畑が広がっており、土壌は多様。AVIGNONの北のシャトーヌフ・デュ・パープではあの有名な丸石の他に、石灰質や砂地質の土壌も目にすることができる。

この南部ローヌの特徴は、殆どが<赤>で、一部に<ロゼ>、そしてごく一部に<白>があること。その大半のワインは口当たりのいい早飲みタイプで、手ごろな値段で楽しめることであろう。
ローヌは北部と南部ではさまざまな点で違いが大きい。

この南部ローヌは、地図に示すように、広域AOC小域AOCの2つにページ分けした。

 


 

Côtes de Rhône コート・デュ・ローヌ

Côtes de Rhône

このACは、ローヌ河岸に沿って南北に200kmほど続くコート・デュ・ローヌ地域総てにに適用される地方名のACである。
指定地区であれば、何処でもこのACワインを出せるから、北部でもそれぞれの村名ACの規定に達しないものはこのACで出荷されている。

しかし、市場に出るこのACワインは、殆どがローヌ河下流域の南部(123ヶ村)のもので、80%を占める。最大生産量は、1ha当たり51hl。 赤・ロゼ・白を産するが、ロゼと赤が殆どで、全体の97%を占める。

<赤>は、全般的に、若飲みタイプで、果実香があり、まろやかで飲み易い。
<ロゼ>は、フルーティでボリューム感もあり爽やか。
<白>は、爽やかでしっかりしている辛口。
  • 品種
     <赤・ロゼ>グルナシュ(40%以上)、シラー、ムルヴェードル、サンソー、カリニャン等14種。<白>グルナシュ・ブラン、クレレット、マルサンヌ、ルーサンヌ
  • 生産量
     赤:1,612,826hl、ロゼ:50,153hl、白:52,793hl (39,648ha)
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Côtes de Rhône Villages  コート・ド・ローヌ・ヴィラージュ

このACは、<Villages>の付かないものより格上で上質。現在、ローヌ南部の94ヵ村が指定されている。
最大生産量は1ha当たり42~45hl。 アルコール度も12.5度。使用品種は、主品種がグルナッシュ(50%以上)で、AC・コート・デュ・ローヌと同じ。
殆どが赤で、若飲みタイプだが、中には10年程度まで熟成させられるものもある。 主に共同組合による生産。

なお、94ヶ村の内、18ヶ村が村名を付記すること認められていて、より細かな規定がなされているので、更に上質と考えられるが、いずれにしても、生産者の違いの方が大きい。
  • 生産量
     132,709hl、村名付:6,065hl (9,495ha)

Coteaux de Tricastin コトー・デュ・トリカスタン

Coteaux de Tricastin

この地区は従来VDQSの地区だったが、1974年AOCに昇格した。かってフィロキセラ禍によって畑は壊滅した。1950年代に再興され、60年代に入り、アルジェリアの独立による栽培家の移住が行われ、彼らによって面目を一新する。

殆どが<赤>で、<コート・ド・ローヌ>と同じような、気軽に楽しめる早飲みタイプで、果実味を含んだ新鮮さが持ち味。
<ロゼ>もあリ、少量の<白>もある。いずれも若い内に飲むべきワイン。赤・白・ロゼ共に「新酒」を造ることも出来る。

*この地は、黒トリュフの名産地で、フランスの約8割りはここのものである。
  • 品種
     <赤・ロゼ>グルナッシュ、サンソー中心。ムールヴェード、カリニャン、シラー。<白>グルナシュ・ブラン、クレレット、プールブラン
  • 生産量
     赤:67,576hl、ロゼ:5,802hl、白:3,472hl (2,158ha)
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Cotes du Ventoux コート・デュ・ヴァンドゥー

Cotes du Ventoux

このACは、北は標高1,909mのヴァントゥー(Ventoux)山の麓から南はヴォクリューズ(Vaucluse)高原まで、約6,400haの広大な葡萄畑が丘陵地帯に広がっている。
この地の52ヶ村を含んでいる。1974年にAOCに昇格した。
約273,300hlの膨大なワインを産出する。赤・ロゼ・白を造っているが、赤が殆ど。

<赤>は、<コート・デュ・ローヌ>と同一の品種を使う。
ワインはライトボディーでフレッシュ。早飲みタイプ。

単一ブドウ園で作られたものや良心的ネゴシアンの手によるブレンドものには、惚れ惚れするようなものがあり、探し試してみるのも悪くない。
<白・ロゼ>は、フルーティでフレッシュ。若飲みタイプ。
  • 品種
     コート・デュ・ローヌとほぼ同じ
  • 生産量
     赤:198,561hl、ロゼ:64,616hl、白:10,121hl (6,391ha)
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Cotes du Luberon コート・デュ・リュベロン

Cotes du Luberon

このACは、プロヴァンス地方を横断してローヌ河に流れ込むデュランス(Durance)川とその支流カラヴォン(Calavon)川の間にあり、リュベロン山脈が東西に走っている。 ローヌ南部の中で最も東に位置している。

多彩な自然にあふれ、ピカソを初めとする画家や芸術家に愛された村々が点在する。
ピーター・メイルのベストセラー「南仏プロヴァンスの12ヶ月」で描かれた舞台もこの地である。

1988年のAOC昇格の地だが、1970年代初めに、近代化をはかった栽培家たちの努力の成果である。
ワインはアヴィニヨン東部の醸造組合のものが殆ど。赤、白、ロゼを産するが、総体的に、ワインは軽快で早飲みタイプ。

<赤>はボディーもあり気品も感じられるユニークなものもある。
<ロゼ>は「セニエ法」で造られるものが多く、フレッシュで生き生きしている。
<白>は、緑を帯びた黄色。フローラルで繊細。
  • 品種
     コート・デュ・ローヌとほぼ同じ。
  • 生産量
     赤:51,221hl、ロゼ:50,846hl、白:24,969hl、(3,141ha)
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Costieres de Nimes コスティエール・ド・ニーム

Costieres de Nimes

このACは、ローヌ地方の最南にあり、プティ・ローヌ(Petit Rhone)川の北の緩やかな傾斜地に広がる。
野鳥が生息するカマルグ(Camargue)湿地帯を見下ろす台地で、古代ローマの町アルルとニームの間にある。1986年ACに指定された。
赤・白・ロゼを産する。 <赤>は、フルーティーでバランスがいい。若飲みタイプだが、中にはタンニン豊富で力強く熟成にきくものもある。 <ロゼ>は、「セニエ法」で造られ、フレッシュで繊細。 <白>は、味わい生き生きとして、フレッシュ。
  • 品種
     コート・デュ・ローヌとほぼ同じ。
  • 生産量
     赤:111,522hl、ロゼ:76,625hl、白:13,138hl (4,033ha)
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Clairette de Bellegarde

(クレレット・ド・ベルガルド)

<Costieres de Nimes >の畑に囲まれたベルガルド村でクレレット100%の白ワインが造られている。
緑を帯びた黄色の溌剌とした<辛口白>のACである。

生産量
 1,70hl (36ha)の小さい産地だが、個性的と言える。

*この地は上質の米が作られているところだが、何と言っても、料理の要の「塩」がこの地のカマルグ(Camargue)で生産されている。
フランスで使われる「塩」の90%がこの塩田で生産されている。しかも、「塩の花」とか、「塩の真珠」と呼ばれる最高品質の塩である。

Southern Rhône AOC

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本ページ=広域AOC
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小域AOC・・・Chateauneuf-du-Pape, Lirac, Tavel, Rasteau, Gigondas, Muscat de Beaunes-de-Venise, Vacqueyras (シャトーヌフ・デュ・パプ、リラック、タヴェル、ラストー、ジゴンダス、ミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴィニーズ、ヴァケイラス)