「教皇の新邸」と言う意味のこのAOCは、ローマ法王の「アヴィニョンの幽囚」と言う歴史が有名にした産地と言える。
アヴィニョンにローマ教皇庁があった14世紀、その2代目の教皇・ヨハネス22世が夏の館をこの村に建てたことに由来する。今は廃墟だけが残る。
歴代の教皇が奨励した葡萄栽培が現代に受け継がれてきたことは事実だが、この地のワインを有名にしたのは実は20世紀始めのことである。
石ころだらけの下層には厚い石灰岩地層があて、葡萄栽培には最適で、 南仏を代表する優れた赤ワインを産出する。
主品種はグルナッシュだが、補助品種が13種あり、その混合比率が生産者によって違うので一様ではない。
伝統的名醸造元に革新的技術者が加わり、限定製品に人気が集まっているが、栽培面積も広く、メーカーも80軒もあるので、品質のバラつきが大きい。自家ブドウ園ワインを選ぶ事が一つの方法で、瓶の首に、浮彫りのカトリック教会の紋章が付いている。
<赤>は、各品種が色、こし、芳香、と言ったそれぞれの特徴をワインにもたらし、力強く、長寿のものもあるが、最近は5~6年で飲めるものに傾斜している。
<白>は、生産量は少なく5%程度。良質で力強いが、中にはやや気品に欠けるものがあると言われている。若飲みタイプ。
- 品 種 [赤]グルナッシュ主体、シラー、サンソー、ムールヴェードル など13種。[白]クルナシュ・ブラン、ブルブーラン、クラレット
- 栽培地 [赤] 99,319hl、 [白] 6,505hl (3,164ha)