ソーミュールは、17世紀オランダ人がロワール・ワインを海外に販売していた時代から今日まで、アンジェ地方ののワイン産業の中心地。
この地方には、築城に使った柔らかい石灰岩の採石跡の洞窟が沢山あり、その洞窟の酒蔵で熟成される。
<赤>は、カベルネ・フラン&ソーヴィニオンから造られ、フランボワーズの香りときめ細かなタンニンを持つ、軽やかな若飲みタイプ。
<白>は、石灰質系の畑で育て、シュナン・ブランから造られる。際立つ黄色で、繊細で調和の取れた辛口。多くは若飲みタイプだが、長寿なものもある。品質よく割安。
生産量
赤:55,000hl、白:25,000hl (1,450ha)
主品種
<赤>カルベネ・フラン&ソーヴィニヨン <白>シュナン・ブラン、シャルドネ
現在、ぼぼ同じ産地で、下記の2つのACがあるが、ソーミュールでは、なんと言っても、はつらつとした辛口の<発泡ワイン>が有名である。
Saumur Mousseux ソーミュール・ムスー
シャンパーニュと同じ「瓶内二次発酵」方式で造る。
使う品種がシュナン・ブラン主体(補助のシャルドネ、ソーヴィニヨン・フランは20%以内)のこの<発泡酒>は、品種の風味の違いによって、シャンパンと明確に異なる味わいを持つ<はつらつとした辛口タイプである。
持続性のあるきめの細かい泡立ちが特徴で、どちらかと言えば、軽やかで若飲みタイプ。
9ヶ月以上の熟成を規定されているが、何世紀にも渡って石灰岩を切り出してきた、数多く残る石切場跡を貯蔵庫として使っている。
生産量
32,316hl (1,285ha)
Cabernet de Saumur カベルネ・ソーミュール
このACは、カベルネ種から造られる辛口又は半甘口の<ロゼ>。
酸味のバランスが清涼感を与える爽やかな若飲みタイプ。中には長寿なものもある。
プリムール(Primeur-新酒)も認められている。
生産量
3,437hl (55ha)