アンジューの南の3つの村。ロワール川右岸の傾斜地にあるこのACの認可は1952年だが、古い歴史を持ち、12世紀に修道僧によって開墾されたものと言われている。
風車の点在する美しい景観とこの地方最古の教会・サン・ピエール教会がその昔を偲ばせてくれる。
かっては貴腐葡萄からの甘口を造っていたが、現在は辛口が主流で、シュナン・ブラン単品種100%。緑を帯びた麦藁色のワインは、熟成と共に琥珀色が増す。エレガントで余韻が長く繊細。
飲み頃は5~6年。
生産量
5,208hl (146ha)
主品種
シュナン・ブラン100%
この産地の中にも、ロワールを代表する、グラン・クリュ・クラスの2つの小さな畑がある。川に張り出した岩の多い突出部にあって、独自の村名AOCを名乗っている。
Savennieres Coulee-de-Serrant クレー・ド・セラン
Savennieres Roche-aux-Moines
ロシュ・オー・モワンヌ
この2つのACの名手の造るワインは、フランスの極上白ワインの1つと言われている。
その評判のリード・オフ・マンは、何といっても、ニコラ・ジョリイ(クレー・ド・セランの単独所有者)だが、今やビオディナミ農法の教祖的存在として認めない人はいない。
ワインは、ブルゴーニュの<モンラッシェ>と優るとも劣らない味わいを持つ。 「クラッスメント誌」を始めとして、著名ワイン評論家が最高点を付けているし、その熱烈な愛好者が少なくないことがそれを裏付けている。
その類稀な豊かなブーケと複雑な風味を味わうためには、長時間のデキャンタと適温は、このワインを味わう必須条件。