ブドウで色素を持っているのは皮の部分のみである。そのため白ワインは、白ブドウからも黒ブドウからも造られる。
黒ブドウで白ワインを造ることは比較的にそう多くはないが、その場合は、果汁とブドウとブドウの他の固形物との接触が長くならないようにマセラシオンを行はない。
破 砕
まず最初にぶどうの房を破砕すると、「流出果汁-mout de goutte」が流れ出す。ついで圧搾して、「圧搾果汁-mout de presse」を取る。この際、圧搾は強く行わない。草の味や匂いを出さないためである。またブドウ果汁の酸化を防ぐため、短時間で行う。
赤ワインの場合は破砕と除梗を同時に行うが、白ワインでは除梗を行わない。固い果梗が残っていると、圧搾の際に、果汁の流れ出る水路を形成するからである。
通常、醸造業者は発酵をさせる前に、未発酵果汁を静置して果汁の浮遊物を沈澱させる。これを「デブルバージューDebourbage」と言い、ワインの味を損なう恐れのある不純物を取り除く作業である。
発 酵
一般に圧搾は2回行う。圧搾で取った「圧搾果汁」は、「流出果汁」と適当な比率で混ぜ合わせ、タンクか新樫樽に入れる。
樽に入れた場合は、栓をしない。数リットル位、樽の中があく余地を残す。発酵によって生じる泡の噴出を避けるためである。
発酵は2~3週間掛けてゆっくり行う。温度は15~18度Cの低温を保つことが非常に重要。最初の最も活発な発酵段階が終わると、定期的に樽を回転させるか、中身をかきまわす。
これによって、澱の中に残った酵母がフルに働いて、残っていた糖分をすべてアルコールに換えると共に、ワインの透明化を促進させる。
硫黄添加
白ワインは透明な果汁を醗酵させる必要があるから、赤ワインの場合以上に重要視されている。それは、「硫黄添加」が醗酵果汁清澄化機能を果たすからである。