破砕と果梗除去
収穫されたブドウは、果汁を取るために果粒が潰されるが、破砕除梗機によって、房の茎を取り除く。この除梗をしないと草の匂いが残ってしまう。最近の傾向として、除梗した後、破砕する方法が取られている。 破砕工程は、果粒を潰すだけで、種と果梗は潰さないようにする。
発酵槽
破砕されたブドウは、普通ポンプを利用し発酵槽に移される。発酵槽は木製(通常は樫材)、セメント製、プラスチック製、エナメル製、ステンレス製などの巨大な容器である。ここで発酵が行われる。
発 酵
発酵とは、未発酵果汁からワインを造り出すことである。つまり、ワイン酵母の働きで果汁内に含まれる糖分をアルコールと炭酸ガスとに分解する。発酵現象は、物理的には炭酸ガスの発生による泡立ちと、反応熱による温度上昇が認められる。生理学的には酵母細胞の繁殖が見られ、化学的には、色相の変化とアルコールの発現によってわかる。
アルコール発酵が始まると4~10日間続く。この間、発酵槽の温度と比重を入念にチェックする。ブドウの固形物(果皮、梗、種)は表面に浮かんで、マール(粕)の「果帽-Chapeau」になる。
果汁に色をよく付け、タンニンを出すために、「モロミ循環-Remontage」を数回行う。これは通常ポンプで発酵槽の底の果汁を吸い上げて果帽の上にかける作業で、発酵槽内を均質にし、マセラシオンを効果的に行うためである。
造ろうとするワインのタイプにより、このマセラシオンの期間は異なる。若飲みのタンニンの少ない新酒プリムールの場合は数日間、色の濃いコシのある長熟タイプの場合は、2~3週間、又はそれ以上になることもある。
硫黄添加
現在では、よい発酵を行うためには、二酸化硫黄(亜硫酸ガス)の使用が必要不可欠とされている。二酸化硫黄の殺菌作用が、有害なバクテリア酵素を無害化し、色づきを補強する。同時に、ワインが空気にさらされた時の酸化防止に役立つ。