ワインをてっとり早く冷やすにば、氷水の人ったワインクーラーを利用するのが最も簡単な方法である。ワインの壜をこの氷水に漬ける。銀メッキされた金属製か陶器のクラセット(冷却容器)に入れておけば、2~3時間はワインの温度が一定に保たれる。
温度が上がるほど、甘みの特性は重たく感じられ、酸味はより舌を突き刺すような感じとなる。そのため白ワインは冷やして飲む必要がある。
炭酸ガスは、温度が高いと、より強く発泡する傾向がある。
シヤンパンやその他の発泡性ワインは、ガスの発散が繊細で心地よく飲めるよう充分に冷やして供することが求められるのはそのため。
ワインを室温にすることを「シャンプレ」と言う。
室温にすると言っても、暖房の効いた室温は20℃を越えることもあるので、 注意が必要。要はワインを飲む最適温度の16~17℃にすることである。
温度が低いほど、ワインの中のタンニンの感覚は強調される。長熟の赤ワインや、 コクのあるワインをシャンプレしなければならないのはそのためである。
赤ワインでも軽いタイプのものは、どいらかと言えば冷やして飲む方が より味わい深いものが少なくない。
6~7年以上保存された赤ワインは、色素の沈殿物があっても、それは当たり前のことである。しかし、この沈殿物が混じるとワインの味を損なうこともあるから、この沈殿物を取り除くために、デカンタシオンを行うのであるが、空気に触れさせて、香りの発散を促す意味もある。
*長く保存されたワインを、空気に触れさせておくと言う事で、飲む数時間前に開けておくことがよく見られるが、これは殆ど意味が無い。何故なら、空気に触れる壜の頚部の面積はしれたものだから、ワインが空気を吸い込んで香りの発散を促すには不十分である。