ALSACE AOC

AOC詳細

Alsace アルザス

アルザスでは単独品種でワインを造り、ボルドーのように混醸しないのが一般的である。
従ってワインの性格は品種によって異なるが、他の地区では比較的甘口に造る品種であってもアルザスでは総て<辛口>のワインに仕上げる。(品種参照)

瓶詰めも生産地で行われることが規定されている。
またドイツ系の品種が主力だが、ドイツ・ワインとは違ったスタイルのワインに仕立て上げているのも特色。「Vin d'Alsace」ともAOC表記される。

品 種:リースリング、ゲヴェルツトラミネール、ピノ・グリ、ミュスカ、ピノ・ノワール
栽培地:872,766hl (15,535ha・・・グラン・クリュ、クレマン含む)

 

特殊ラベル


Edelzwicker(エーデルツヴィケール)

通常、単品種で作られるアルザスワインの中で、複数の品種をブレンドしたワインもあり、それがこのエーデルツヴィケール」。
Gentil(ジャンティ)とも表示される。

若飲みタイプで、2~3年が飲み頃。AOCは、Alsaceに含まれる。

下記の2つは、貴腐葡萄あるいは過熟した葡萄を摘んで造られるもので、糖度他きわめて厳格な条件が課せられて生産された高級品。当然価格も高い。 使用品種はリースリング、ゲヴェルツトラミネール、ピノ・グリ、ミュスカ。

この2つは、1984年ACとして認められている。

Vandanges Tardives


(ヴァンダンジュ・タルディヴ)
「遅摘み」(貴腐が伴う場合もある)

Selection de Graine Nobles


(セレクション・ド・グレインヌ・ノブル)
「精選粒選り」(貴腐葡萄のみ)


label-Vandanges Tardives

 

Alsace Grand Cru  アルザス・グラン・クリュ

厳しい収穫規制、栽培方法の規定、最低アルコール度、官能検査など多くの基準を遵守した51の区画のワインで、手摘みで収穫され、土地の個性を色濃く映した個性的ワインである。

使用品種を、リースリング、ゲヴェルツトラミネール、ピノ・グリ、ミュスカの4品種に特定している。

若いうちから飲めるが、10年前後までの熟成も出来る。
生産量は非常に少ない。ラベルには、区画名、ヴィンテージ、品種名が記載されている。

生産量
 43,000h

Alsace Grand Cru List アルザス・グラン・クリュ リスト

  • Altenberg de Bergbieten (Bergbieten)
  • Bruderthal (Molsheim)
  • Engelberg (Dahlenheim)
  • Frankstein (Dambach-la-Ville)
  • Kastelberg (Andlau)
  • Kirchberg de Barr (Barr)
  • Moenchberg (Andlau & Eichhoffen)
  • Muenchberg (Nothalten)
  • Praelatenberg(Orschwiller & Kintzheim)
  • Steinklotz (Marlenheim)
  • Winzenberg (Blienschwille)
  • Altenberg de Bergheim (Bergheim)
  • Altenberg de Wolxheim (Wolxheim)
  • Brand (Turckheim)
  • Eichberg (Eguisheim)
  • Florimont (Ingersheim)
  • Froehn (Zellenberg)
  • Furstentum (Kientzheim & Sigolsheim)
  • Geisberg (Ribeauville)
  • Gloeckelberg (Rodern & St-Hippolyte)
  • Goldert (Gueberschwihr)
  • Hatschbourg (Hattstatt & Voegtlinshoffen)
  • Hengst (Wintzenheim)
  • Kanzlerberg (Bergheim)
  • Kessler (Guebwiller)
  • Kirchberg de Ribeauville (Ribeauville)
  • Kitterle (Guebwiller)
  • Mambourg (Sigolsheim)
  • Mandelberg (Mittelwihr)
  • Marckrain (Bennwihr & Sigolsheim)
  • Ollwiller (Wuenheim)
  • Osterberg (Ribeauville)
  • Pfersigberg (Eguisheim)
  • Pfingstberg (Orschwihr)
  • Rangen (Thann & Vieux Thann)
  • Rosacker (Hunawihr)
  • Saering (Guebwiller)
  • Schlossberg (Kaysersberg & Kientzheim)
  • Schoenenberg (Riquewih)
  • Sommerberg
    (Niedermorschwihr & Katzenthal)
  • Sonnenglanz (Beblenheim)
  • Spiegel (Bergholtz & Guebwille)
  • Sporen (Riquewih)
  • Steinert (Pfaffenheim)
  • Steingrubler (Wettolsheim)
  • Vorbourg (Rouffach & Westhalten)
  • Wiebelsberg (Andlau)
  • Wineck-Schlossberg (Katzenthal & Ammerschwih)
  • Zinnkoepfle (Westhalten & Soultzmat)
  • Zotzenberg (Mittelbergheim)

Cremant d'Alsace クレマン・ダルザス

label-Cremant d'Alsace

この地域で造られる発泡性ワインで、シャンパーニュと同じ「瓶内二次醗酵」による製造方法をとっており、フランス国内市場では、最も多く飲まれている発泡ワイン。

アルザスの例外で、品種表示をめったにしない。それは、ブレンドして造るからで、これによって一定のバランスを保った酸を確保し、収穫年による品種の出来のばらつきを補っている。

ワインは、透明感と深みを兼ね備えた淡いイエロー・ゴールドの繊細な気泡を生み、果実香豊かで女性的と言われている。生産者は多く、500を超える。

 

Côte de Toul コート・ド・トゥール

アルザス地方に隣接するロレーヌ地方は、フィロキセラと第一次大戦で壊滅状態に陥るまでは、アルザスよりはるかに広大な葡萄畑が広がっていた。その復活は遅々として進まず、努力が実ったのは1998年。ACに昇格した。

その畑は、かっての畑の広さには遠く及ばないが、モーゼル河左岸、トゥールの町の西側、コート・ド・ムーズ(Cote de Meause)と呼ばれる斜面の一画に南北20kmに渡って広がっている。若飲みタイプの白と赤とロゼを産出している。

<白>は、オーセロワ種から造られる。しなやかなボディーでフルーティーで溌剌としている。
<ロゼ>は、ピノ・ノワールとガメ種のアサンブラージュ。フレッシュで果実香に富み、淡い銅色を帯び、「グリ・ド・トゥール(Gris de Toul)」と呼ばれている。
<赤>は、ピノ・ノワール100%。きめ細やかなタンニンを含み、ボディーもしっかりしている。

かってロレーヌ公国の首都として栄えたナンシーは、トゥールの東24kmと近い。ガラス工芸のエミール・ガレの生地で、ナンシー派と呼ばれるアール・ヌーヴォーの作家たちが活躍した町である。

生産量
 3,582hl (74ha)