栽培面積は11,300haで、60%が赤ワイン用ブドウ品種。従って、赤ワインの産出量はドイツ一である。この地方独特のトロリンガー(Trollinger)、レンベルガー(Lemberger)と呼ばれる品種が大半で、苦味走った特異な赤ワインを造る。
その他、シュヴァルツリースリング(ピノ・ムニエ)、シュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)も栽培されていて、果実味が豊かで、フレッシュな大衆消費用から上品なデーナーワインまで種類も豊富である。
白ワインの品種としては、リースリング、ミュラー・トゥルガー、ケルナー、シルヴァーナーなどが栽培され、ワインは力強く飲み応えのある味。
また、この地方を特徴付ける、赤と白のぶどうを半々に混醸したロゼワインがある。
シラーワイン(Schiller Wein) と呼ばれている。
この地に生まれた偉大な詩人シラーの名をよせていると言われているが、本当は「いろいろに色が変わるを意味する動詞「SCHILLERN(シレルン-)」に由来するようだ。
この地域のワインは、地元での消費率が高く、入手が難しい。
ベライヒは4つの分けられている。
〈コッハー・ヤークスト・タオバー 〉
〈ヴュルテムベルギッシュ・ウンターラント 〉
〈レムシュタール・シュトゥットガルト)
この土地では、自家製ワインを飲ませる所の印として、軒先に花束のかわりに箸〈Besen)を飾っており、そのような造り酒屋をBesenwirtshaft(ベーゼンヴイルトシャフト)と呼んでいる。
ワインを注文すると取っ手の付いた大振りのグラスに注いでくれる。ドイツでは一般的に褒めたれた料理に出会うことはそう多くは無いが、この地だけは数少ない例外で、素朴ではあるが味のある料理とワインが愉しめるとワイン通は言う。
名物料理に、ドイツ風手打ちうどんとも言える「Spatzle-シェペッレ」や鍋料理の「Gaisburger Marsch-ガイスブルガー・マルシュ」等がある。
この種の同類の居酒屋を他の地方では、Straußwirtshaft(シュトラウスヴイルトシャフト)と呼んでいるところもある。カール大帝(742~814)は、葡萄栽培を奨励した王様として、最初に記録に登場する為政者としてよく知られているが、葡萄栽培農民に、国や教会に納めた後の、残りの自家醸造ワインの販売は許可した。その場合、その目印として家の軒先に「Strauß-花輪」を吊り下げることを命じた。これが現在も引継がれている訳である。