ベルリンから南東200km、プラハから北西150kmの位置で、最北限ブドウ栽培地である。黄土層に花崗岩や斑岩など火山系土質の混じる土壌。
この地の葡萄栽培の歴史は古く、マイセンの修道院の記録に最初に出てくるのが1161年。
現在、この地方のワインは、殆どがマイセンの協同組合のワイナリーで造られている。
栽培主品種は、下記に示すが、ミュラー・トゥルウが多い。少量だが、リースリングと、珍しいゴールドリースリング(リースリングとマスカットの交配種)も栽培されている。
ワインは辛口。多くは軽く薄口だが、上物は香り高くコクのある力強い性格を持つ。ベライヒは3つ。
ザクセンは、8世紀、カール大帝が、ドイツ東方支配の30年にもおよぶ「ザクセン戦争」の末、降伏した時のザクセン人のリーダーであるウィドゥキントを、ザクセン公に封じた事に始まる由緒ある公国。
この地域には早くから産業が興った。中世の頃から操業するエルツ山地の鉱山がもたらす利益が国を潤した。18世紀初頭、マイセンでは、ヨーロッパで初めて枯士から磁器を作り出す技術が生み出され、その国際的名声が今日に至っている。
19世紀には、ドイツ初の長距離鉄道がライフツイヒとドレスデンとを結んだ。今も残る産業遺跡は、世界で最も高さのあるレンガ造りの鉄道高架橋で、その高さはローマの水道橋にも匹敵する。
歴代の王は鷹揚な名君として知られ、その治世の輝かしい遺産は、ヨーロッパ有数の文化と芸術の都ドレスデンに残っている。
フリードリヒ賢公(1463~1525)は、ドレスデンからエルベ河を下ったWittenberg(ヴィッテンベルク)に大学を設立、ルターを聖書学教授として迎える。ルターがカトリック教会から追放を受けた時人知れず保護した。ルターのよき理解者として歴史にその名を残している。