ブドウ栽培地は、マインツ、ビンゲン、ウォルムスの3都市を項点とする三角形を描き、以下の3つベライヒがある。
しかし、地勢的には大きく2つに分けられる。つまり、ラインテラスとも呼ばれるライン河流域に位置するラインフロントと、その背後のヒューゲルラントである。
・Oppenheim (オッペンハイム)
・Nierstein (ニアーシュタイン)
・Nackenheim (ナッケンハイム)
・Bodenheim (ボーデンハイム)
・Ingelheim (インゲルハイム)
・Bingen (ビンゲン)
ラインヘッセンで栽培されているぶどう品種は、下記に示す通りだが、最近の傾向をみると、徐々にシルバーナーの影がうすれ、そのかわりとして新品種(例えばフアーバーとかバフース)が大きく顔を出している。
昔(第2次大戦前)はどうだったかというと、約70%がシルバーナーで、20%近くリースリングが植えられていた。
たゆまぬ品種改良、新品種交配などの努力の結果、より一層その地の土壌、気候にあったものが選び出されて釆たという事実と、反面、徐々に移り変ってきた消費者の味の傾向といったものがそれらのなかに読み取られる。
*ワインブック GAULT MILLAUの「Guide to German Wines」の<The leading Producers>の5クラスあるものの中から3クラス以上のものをピック・アップした。
ヴォルムスは、大量に世界に輸出されている「リープフラウミルヒ」を最初に造った聖母教会(リープフラウ)の地であるだけでなく、数多い醸造所を擁するラインヘッセン最大のワインの町である。
と同時に、歴史の町でもある。ローマ帝国の駐屯地が置かれたことに始まり、ラインの中流域にあることから、早くから交易の町として栄え、中世初期に司教座も置かれた。
神聖ローマ帝国の重要な政治・宗教の会議である「帝国会議」が数多くこの地で開かれているが、ヴォルムスが交通の要所にあったからであろう。
「ヴォルムスの協約」と呼ばれる、皇帝とローマ教皇が激しく争った「叙任権闘争」の解決を定めた会議(1122年)や、宗教改革のマルチン・ルターの追放決定会議(1521年)は、ヴォルムスで開かれた有名な会議である。