ドイツワイン街道(ドイチェ・ヴァインシュトラーセ)が、全フアルツ地域を一直線に縦断する。ドイツワイン門(Deutsches Weintor)のあるアルザスに接する町Schweige(シュヴァイゲン)から北のBockenheim(ボッケンハイム〉に至るこの街道は、ローマ時代からのもので、高名なワイン村が目白押しに連なる。
葡萄畑を主とした、この素晴らしい景観に親しんでもらおうと、1935年発案された。フランスに接しているから、フランスの影響があちこちにある。
グルメ文化もその一つで、ワイン街道沿いにある数多くのグルメレストランでは、ファルツの郷土料理が楽しめる。土地の人の集まる田舎風のレストランでは、0.5リットル入りの大ぶりのグラスでワインを回し飲みしている。食事の量といい、飲みっぷりといい、豪快そのもの。見るに良し、食うに良し、そして、飲むに良しの地である。
ハート山系の森によって荒い西風から守られ、ドイツでも最も温暖な気候に恵まれている。そのため、じやが芋、玉葱、アスパラガス、りんご、桃、プラム、ミラベル等に代表される、野菜、果物の質はずば抜けて良い。
ぶどうの収穫は、この地域の全農作物の収穫の3分の1をだが、ここで造るワインの持たらす利益はその3分の2に近い。
〈ズユートリッヒェ・ヴァインシュトラーセ )
は、黄土、石灰、粘土の混ざった土壌で、ワインは軽くフレッシュなものが多いが、バラエティーにも富んでいる。
〈ミッテルハート・ドイチェ・ヴァインシュトラーセ〉
は、粘土と泥炭の混ざった土壌で、ワインは心地よい芳香とマイルドな風味を持つ。
地勢的にも、南部のMittel-haardt(ミッテルハート)と北部のUnterhaardt(ウンターハート)に分けられるが、著名なワイン村は、北部Mittel-haardtに集中する。リースリングの生産が多く、豊かな果実風味と酸味のバランスの絶妙な高水準のワインを造っている。
*ワインブック GAULT MILLAUの「Guide to German Wines」の<The leading Producers>の5クラスあるものの中から3クラス以上のものをピック・アップした。
「 日本に住んでいて、野田シェフを常に訪れては食事したり語り合ったりしている多くのドイツ人が参加して一緒につくりあげた、ドイツ食文化についての本が出版された。
本当のドイツ料理を10年以上前から日本でポピュラーにしてくれているオーナー・シェフの野田君が、ドイツ食文化の本を出版することは大変喜ばしいことです。
この本が多くの読者に、一度彼のレストランを訪ねて真のドイツ料理を味わうきっかけとなることを、野田君のために祈ります。
野田君のレストランの常連として-私もその一員に加えさせてもらっています-私たちは、
野田君の文学的味覚を祝福し彼を「グルメ哲学者」と名づけたく思います。 Herr Dr Paufler」
「ドイツの森の料理人―知られざる食と文化」 (銀の鈴社-1997)
「ワイン街道 美食の旅―ドイツの森の料理人②」(教育出版センター-1999)
「新・ドイツの森の料理人」 (里文出版-2005)
<著者>
野田浩資
1947年 東京生
1973~79年 ドイツを中心に欧州でシェフ修行を積む、
1986年以降、下記店のオーナー・シェフ。
・クライゼル (OAG CLUB KREISEL)
港区赤坂7-5一56 OAGハウス(ドイツ文化会館1F)Tel.03-3583-9487
・ツム・アインホルン (ZUM EINHORN)
港区六本木1-9-9六本木ファーストビルB1Tel.03-5563-9240